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経営マガジン 2018年6月号

201806

少し前になりますが、2018年3月に、
プロ野球・中日ドラゴンズの
森野将彦コーチの税務申告に関する追徴課税
に関するニュースがあったのを
ご存知でしょうか。

森野氏は1996年にドラフト2位で
中日ドラゴンズに入団した元プロ野球選手です。

2017年に現役を引退し、
その後中日の2軍の打撃コーチをしていたのですが、
現役時代の申告について追徴課税を受けた
というニュースでした。

その時の毎日新聞の報道は、

「中日 森野氏申告漏れ
 選手時、家族との外食を経費計上

プロ野球・中日の森野将彦2軍打撃コーチ(39)が
中日の選手時代に名古屋国税局の税務調査を受け、
2013年までの3年間で約4200万円の申告漏れ
を指摘されていたことが分かった。必要経費として
認められない生活費を総収入から差し引き、事業所得を
少なく申告していた。追徴税額は過少申告加算税を含め
約1800万円とみられる。」

というものでした。

それにしても、4,200万円の申告漏れ、
1,800万円の追徴課税という額は、
一般人から見ると結構な金額です。

また、2010~2013年の申告についてなので、
結構昔の話で、いきなり1,800万円払え!

とは結構厳しいものだと思います。

今日はこの申告漏れの内容について
少しご説明できればと思います。

そもそもこの

「申告漏れ」

とは何でしょうか。

「申告漏れ」とは
経費計算のミスなどで
所得を間違えてしまった場合をいいます。
(これに対して加算税と延滞税という
 罰金が追加でかかります)

これと似たようなもので
「所得隠し」とか「脱税」
ということばも聞いたことがあるかと思います。

「申告漏れ」との大きな違いは
<故意性があるかないか>
になります。

「所得隠し」は故意に税金を減らす行為で、
悪質なものとされるので、
重加算税という罰金がさらに追加されます。

「脱税」は「所得隠し」と内容は同じですが、
悪質行為として刑事罰が課せられるような
ものになります。

今回の森野コーチの件は、
「申告漏れ」なので、

所得計算の間違いを税務署から指摘された

ということになります。

それでは、何の計算の間違いを
指摘されたのでしょうか?

これは、スポーツ選手のみならず、
経営者にとって一番悩ましい、

「事業の経費」vs「プライベートの支出」

という論点になります。

森野氏は経費にできると思っていたが、
税務署は経費にできないという判断で、

その相違の金額が4,200万円だった
ということになります。

それにしてもなぜこんなに
多くの見解の相違が出たのでしょうか?

それは、

「事業の経費」

というものには明確な定義がなく、
あくまでも「事業に関連するか否か」
で判断するという、
非常にあいまいなものだからです。

今回森野氏と税務署との間で見解の相違があったものは
次のようなものだったようです。

① トレーニング目的の旅費
⇒ 家族旅行と判断された
(家族とのハワイの旅行が含まれていたようです)

② 健康管理目的の食費
⇒ 生活費と判断された
(家族と食べた焼き肉が含まれていたようです)

③ 公式戦の移動時に着る衣服代
④ 衣類に係るクリーニング代
⑤ 自宅の警備代
⇒ 事業に必要な支出ではないと判断された
(高級紳士服、腕時計等が含まれていたようです)

上記のような経費は、
明らかにプライベートのものと分かるものもありますが、

中には事業に必要なものなのか、
プライベートのものなのかの判断が
つきにくいものも結構あると思います。

税務署は税金を追徴するために、
かなり厳しく追及してきますので、

自分では事業に必要な経費であると考えていても、
プライベートな支出との区別が難しいようなものは、
×といわれるリスクはあると考えておいてください。

リスクヘッジとしては、

【その経費が事業に必要であることを説明できる
 根拠をしっかり用意しておくこと】

になりますので、

もし心当たりのある方は、
税務署からのお尋ねが来る前に
しっかり対応をしていただければと思います。

 

さて、「経営マガジン」の6月号を
お届けさせていただきます。

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