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おさえておきたい節税、厳選27のテクニック(社宅)

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今回のテーマ「社宅」について説明させていただきます、東京都台東区の税理士・公認会計士の白根です。皆様に抑えておいていただきたい節税の方法のうち、特に厳選した27のテクニックをご案内するコラムです。

このテクニックは法人しか利用できませんが、特にオーナー社長にとってはとても有効な方法なので記載します。

 <目次>
1. 概要
2. 2つのパターン
3. 税務上の社宅家賃
4. 注意点
5. まとめ

 

おさえておきたい節税、厳選27のテクニック(社宅)

1. 概要

このテクニックは、「会社が役員や従業員のための住まいを所有したり賃貸する」という節税方法です。

契約の方法は(1)社長の持ち家を会社が買い取る方法と、(2)社長の借り家(賃貸物件)を会社名義に変更する方法、の2つのパターンがあります。
(1)は、社長の住まいが会社名義になることで、固定資産税、都市計画税、修繕費、損害保険料、借入金の利息などが会社の経費になるとともに、社長のキャッシュ・フローが大幅に改善すること、(2)は賃料が会社の経費になるとともに、社長や従業員の家賃負担が減るというのがポイントです。

ただし、社長や役員、従業員から社宅家賃をもらわなければならないのですが、この家賃の金額が税務上決まっているので、そこが注意点となります。

 

2. 2つのパターン

(1) 社長の持ち家を会社が買い取るパターン

この場合の手順は以下の通りです。

① 会社が社長の持ち家を買い取る

 個人のように35年ローンとかはできないので、資金的な余裕がないと少し難しいかもしれませんが、まずは会社が社長の持ち家を買い取ります
 社長が既に返済している住宅ローン部分については、会社から分割で代金を支払うことにしてもよいかもしれません。(※)
 (※)その分役員報酬を減額すれば、所得税や社会保険料を減らす効果も期待できます。(ただし、厚生年金は将来もらえる額が減ってしまいます)

社長が会社に賃料を支払う

 会社が社長の持ち家を買い取ったといっても、社長は家賃がゼロになるわけではありません! 後述3.に記載されている家賃をきちんと会社に支払う必要があります。

 効果

 これまで社長が支払っていた様々な費用(固定資産税、修繕費、損害保険料、会社が借り入れをした場合は借入利息)だけでなく、減価償却費まで経費にすることができます

(2) 社長の借り家(賃貸物件)を会社名義に変更するパターン

この場合の手順は以下の通りです。

会社が社長の借り家(賃貸物件)の契約者となる

 これまで社長が契約者となっている賃貸契約を、会社との賃貸契約に変更します。変更できるかどうかは大家さんに確認してください。

社長が会社に賃料を支払う

 (1)と同様、社長は家賃がゼロになるわけではないので、社長は後述3. に記載されている家賃をきちんと会社に支払います

 効果

 これまで社長が支払っていた家賃が会社の経費となります。

 

3. 税務上の社宅家賃

若干ややこしいので、分からなかったらお問い合わせください。
簡単に説明すると、(ア)役員か従業員か(イ)小規模かそうでないか(ウ)会社所有か賃貸か、で税務上の社宅家賃の計算が異なってきます。

(1) 社長や役員の場合

① 小規模の場合

小規模の場合とは、「床面積が132㎡(木造以外の場合は99㎡)以下の場合」をいいます。この時、税務上の社宅家賃は次のように計算します。

   その年度の建物の固定資産税の課税標準額 × 0.2% + 1 2円  × 建物の床面積/3.3㎡
 + その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 × 0.22% 

 ちょっとわけわからないですよね。。。決まりなので深く考えないで大丈夫です。

② 小規模でない場合

小規模ではないとは、「上記以外の場合(ただし、床面積が240㎡を超えるような豪華な場合を除く)」をいいます。この時の計算式はこうです。

(a)会社所有の場合

 ( その年度の建物の固定資産税の課税標準額 × 12%
 +  その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 × 6%  ) ÷ 12

 こちらも決まりなので深く考えないでください。( 木造家屋以外は10%

(b)賃貸の場合

 会社が家主に支払う家賃(共益費等を含む月額賃借料)の50%上記(a)の金額いずれか高い金額

 豪華な場合

床面積が240㎡を超えるような豪華な場合

 計算式が異なるので、これに該当する方は是非個別にお問い合わせください。

⇒ いずれも実際に計算してみると相場よりもかなり安くなることが多いようです。

(2) 従業員の場合

上記(1)の①の計算方法になります。
 

4. 注意点

(1) 税務上の社宅家賃以上の金額を会社に支払うことが必要です。

上記2. にも記載しましたが、これを行わないと、会社が支払う家賃すべてが役員や従業員の給与として扱われてしまいます。借上げ社宅の場合は会社が家主に支払う家賃(共益費等を含む月額賃借料)の50%と覚えておいてください。

 

(2) 賃貸物件でも固定資産税の課税標準額の情報が必要です。

税務上の社宅家賃を計算するためには、固定資産税の課税標準額が分からないといけません。
家主に情報をもらうか、自分で入手をしなければなりませんが、賃貸物件であっても、賃貸借契約書や本人確認などの書類があれば、固定資産の評価証明書を取得することができる地域もありますので、必要書類を含め、各都税事務所、自治体などにご確認いただければと思います。

 

(3) 社宅規定を備えておくのものよいです。

会社で社内規定を整備しておくこともよい方法です。借上げ社宅の使用料は、「共益費用等を含む月額賃借料の○○%とする」という方式にするのがよいと思います。
この○○%という割合は、会社が自由に決めることができますが、通常は上記の税務上の問題から50~70%の範囲で設定されることが多いようです。
社宅規定のひな型は、例えば、下記のリンク先などを参考にしていただければと思います。
http://www.roumu.com/kitei/fukuri/shataku.pdf
http://www.e-consultant.jp/data/kiyaku/k23.pdf

 

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。
会社にとっては経費にできる費用が多くなる、社長や従業員にとっては住まいに対する支出が少なくなる、という意味で、とても良い節税方法だと思いますので、一度ご検討されてはいかがでしょうか。

また、少しでも参考になるようでしたら、シェアをしていただけますと幸いです^^

 

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