東京都台東区上野のクラウドに強い税理士・公認会計士事務所「あしたの会計事務所」

経営マガジン 2020年5月号

202005

最近は新型コロナウイルス関連の話ばかりとなってしまっていますが、

避けられない問題かと思いますので、

コロナに関連した情報をお伝えさせていただければと思います。

 

本日はお客様から相談を受けることが多い借入金について、

「借入に関する考え方」

の要点等をお伝えできればと思います。

前半に【基本的な考え方】

後半に【緊急時における考え方】

をまとめてみました。

 

借入については、様々な考え方があるかと思いますので、

下記の内容が絶対に正しいというものではなく、

あくまでも私たちの考え方として、

ご参考としていただければ幸いです。

 

【借入金の基本的な考え方】

中小事業者にとって借入金は、最も重要な資金調達手段ですが、

基本を押さえておかないと大変なことになってしまうので、十分注意が必要です。

 

基本1:大きく借りる

利息(金利)が自社の状況で大きな負担にならないのであれば、

借りれるときに、できるだけ大きな金額を借りてしまうのがよいと考えます。

 

お金を借りる際は、資金用途が必要になるので、

運転資金や設備資金などの理由を明確にして、

金融機関に説明できるようにしておきます。

 

基本2:慎重に使う

お金を借りただけで使わなければ、そのお金を返せばよいだけです。

(もちろん利息分は損をしてしまいますが、保険料と考えればよいのです。)

借りたお金を使ってしまったら、

その使ったことを通じて利益をあげなければいけません。

ですので、借りた使うときは、

それが本当に利益につながるかどうか、

しっかり考えたうえで使うようにしてください。

 

基本3:毎月の利益(営業収支)の範囲内で返済する

借入金の返済が毎月の利益を上回ってしまうと、

お金は徐々に減っていってしまうことになります。

ですので、基本的に毎月の返済金額は、

毎月の利益より少なくしなければいけません。

可能であれば、税引後の利益(毎月の利益の50%~70%)以内にできるとなおよいです。

 

以上が基本的な考え方です。

次に今回のコロナのような緊急時の考え方を説明します。

 

【緊急時の考え方】

事前準備1:税金・社会保険・公共料金等を必ず支払う

税金や社会保険等を滞納していると借入ができません。

なので、資金繰りが厳しくても、

過去の税金や社会保険等は必ず支払うようにしてください。

 

事前準備2:個人の生活資金を確保する

事業も大事ですが、個人の生活が第一です。

個人の資金に余裕があれば、個人の資金を会社に貸し付けても問題ありませんが、

一旦は事業と家計は切り離して考え、生活資金を確保するようにしてください。

 

手順1:最大限借りる

これは基本1の考え方と同じになります。

会社や事業は手元にお金があれば継続することができます。

このような緊急時には、まず手元に資金を確保することが第一歩となります。

 

手順2:据置期間を長めにとる

据置期間とは、借入金の元本は返さずに、

利息だけ支払う期間のことをいいます。

しばらく収入が見込めない状況であれば、

据置期間も長めにとるようにしてください。

元本を返済しないと次の融資が受けられないなどがありますので、

通常は6か月や1年とかに設定をしますが、

交渉によっては最長で3年くらいに設定することもできます。

 

手順3:条件変更(リスケジュール)を検討する

新規の借入や借換えが難しい状況の場合には、

既存の借入金の条件変更(リスケジュール:略して「リスケ」といいます)を検討します。

リスケをしてしまうと、次の融資が受けられなくなる可能性が高くなってしまうので、

手順としては新規の借入や借換えが難しい時にのみ検討してください。

 

手順4:慎重に使う

上記の基本2と同じです。

必要な経費にのみお金を使うようにしてください。

 

手順5:事業の継続可否を検討する

借入は金融機関からお金を借りることではありますが、

本質的には、

「将来の自分からお金を借りる」

(=将来発生する利益からお金を借りる)

ということです。

 

もし、事業を継続したとしても、将来の利益獲得が見込めないのであれば、

ただ借金を増やすだけになってしまいます。

 

手順1~3で時間的な猶予を得ることができたら、

将来事業で利益を獲得することができるかどうか

について検討を行ってください。

 

今回はこのコロナの影響によって、

今後の働き方や生活スタイルが大きく変わっていくことが想定されています。

そのような変化の中、将来的に利益を獲得することができるかどうかについて、

しっかり検討を行うことが重要になってきます。

(ただ、今回のコロナの難しいところは、いつ収束するかなどの将来の予想が全くできないというところだと思います。

 将来をかなり悲観的に見るのか、ある程度楽観的に見るのか、あるいは、いつ頃収束するのか、収束した場合の売上はどのくらい見込めるのかなど、

 この将来をどう想定するのかが、今回経営者の重要な役割になってくるのではないかと思います)

 

参考の事例となりますが、東北地方で飲食店を数店舗展開していた株式会社イロモアさんは、

新型コロナウイルスの影響により、将来的に会社の経営が立ち行かなくなると判断し、

運営する飲食店を全て閉店して、会社も清算することに決めていらっしゃいました。

https://note.com/aomorio/n/nd4264eabe912

ものすごい決断だと思いましたが、

このような方向性も含めて、経営判断を行っていくことが重要になってくるのではないかと思います。

 

(追伸)
今回この情報をお伝えしようと思ったのは、知り合いの信頼できる税理士の方が、お客様に向けて借入の考え方について説明しているのを知ったのがきっかけとなっています。この場を借りてお礼申し上げます。

 

【コロナ関係支援のまとめ】

(東京都の支援)
https://covid19.supportnavi.metro.tokyo.lg.jp/navi

(住居確保給付金)
https://www.mhlw.go.jp/content/000626236.pdf

(緊急小口資金【特例貸付】)
https://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/2020-0413-1036-17.html

(日本政策金融公庫融資)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

(税金・社会保険料の猶予)
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10382.html

 

さて、「経営マガジン」の5月号
お届けさせていただきます。

本冊子には「データで見る経営」「今月の数字」といった
ビジネスの指針となるデータに基づいた解説を中心に、
「経営者インタビュー」などビジネスに役立つ情報をそろえておりますので、
少しでも皆さまの経営の参考になれば幸いです。

 

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