エンジェル税制に関しまして、簡単に整理をしてみました。 【個人で投資した場合】 ①エンジェル税制 出資する日本法人がエンジェル税制の対象企業である場合には、エンジェル税制の適用が 受けられます。 <投資時点>いずれかの選択 A 設立3年未満の企業への出資の場合、投資額-2,000円が総所得金額から控除されるので 投資額が300万円の場合最大で2,998,000円の所得控除が受けられます。ただし、総所得金額の 40%が上限です。所得税率の税率のゾーンに応じて、控除額×税率の節税効果があります。 B ベンチャー企業への投資額の全額をその年の他の株式譲渡益と相殺(相殺上限なし) <売却時点> 売却時に損失が発生した場合には他の株式譲渡益と相殺することも可能。未上場ベンチャー 企業株式の売却により生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と通算(相殺)できるだけでなく、 その年に通算(相殺)しきれなかった損失については、翌年以降3年にわたって、 順次株式譲渡益と通算(相殺)ができます。 ②「リターン」を受け取る際の税率(日本法人から受け取る配当) (1)上場株式等の配当等 ⇒15.315%が源泉徴収されたうえで支払われます。 (2)上場株式等以外の配当等の場合(日本法人から受け取る配当) ⇒20.42%が源泉徴収されたうえで支払われます。 (3)株式等の譲渡所得が発生した場合 譲渡益×20.315%(累進課税はなし)の税金がかかります。 ③投資が失敗した場合の税制 ⇒株式の譲渡損等は他の株式の譲渡所得と相殺 【法人で投資した場合】 ①オープンイノベーション促進税制 中小企業は1,000万円以上の投資が対象となるので適用のハードルが高いですが、 出資額の25%を法人所得から控除できます。 ②「リターン」を受け取る際の税率(日本法人から受け取る配当) (1)上場株式等の配当等 ⇒20.315%が源泉徴収されたうえで支払われます。 (2)上場株式等以外の配当等の場合(日本法人から受け取る配当) ⇒20.42%が源泉徴収されたうえで支払われます。 ※いずれも出資割合に応じて配当金の受取額の一部が法人の収益に算入されない (3)株式の譲渡益が発生した場合 譲渡益×法人税の実効税率(中小企業の場合、その年度の所得に応じて22.4%~37%)の 税金がかかります。 ③投資が失敗した場合の税制 ⇒株式の譲渡損が法人の損金となる(特別損失)
109 会計・税務